虫歯や歯周病を「予防」して健康に
虫歯や歯周病は、最初の段階では痛みも違和感もほとんどありません。そのため、気づかないうちに少しずつ進行していることが多く、痛みに気づいたときには歯を削らなければならないほど進行していることも珍しくありません。
こうした状況を防ぐために大切なのが「予防」です。どんなに良い治療を行ったとしても、一度削ってしまった歯は元には戻りません。健康な歯の状態から予防をしっかりと行い、未然に虫歯の進行を防いで健康な状態を維持しましょう。
歯が痛くなる前から「予防」しましょう
歯科医院の行く際は、「歯や口の中に痛みや違和感をおぼえてから」、という方が多いのが実情です。しかし、状態が悪くなってからくると、費用も治療時間もかかりますし、痛い思いをすることにもなります。美味しく食事をして人生を豊かに楽しく生きるためにも、歯科医院で定期検診を受けて虫歯や歯周病を予防しましょう。
早期発見で最低限の治療へ
数カ月に1度、定期的に歯科医院にメンテナンスで通っていても、毎日のセルフケアが原因で虫歯になってしまうこともあります。しかし、定期的に歯科医院に通うことで自分では気づかないような小さな虫歯の段階で治療を行うことができるため、削る範囲は必要最小限で痛みも感じにくく、少ない治療費と時間で治療を終えることができます。
セルフケアだけでは落としきれない汚れ
毎日しっかりとブラッシングをしていても完全には汚れを落としきれません。取り除ききれなかった汚れ(バイオフィルム)が積み重なり、虫歯や歯周病が進行してしまいます。
歯科医院で行う予防(PMTC)はこのバイオフィルムをしっかりと落とすことができるため、「毎日ブラッシングをきちんと行っているから大丈夫」と思わず、健康な歯に対しても年に2~3回ほどメンテナンスを行うことが大切です。
意外と見落としがちな歯の汚れ
バイオフィルムは歯間や歯と歯茎の間、被せ物・詰め物の境い目などに貼りつきます。バイオフィルムはブラッシングで除去するのは難しく、歯科医院で行うプロフェッショナルケアでしか完全に取ることはできません。また、プロケアで除去しても2ヶ月程度で新たに増えてきますから、定期的なメンテナンスが重要なのです。
セルフケアと併用することが大切
予防歯科には大きく分けて、定期的に歯科医院で行う「プロケア」と、歯科医院での指導を基にご自宅で毎日行う「セルフケア」があります。どちらも虫歯や歯周病を防ぐ大切な予防法です。どちらか一方が疎かになると歯の健康を保てません。当院では正しいブラッシング方法についても指導していますので、子どもから大人までご相談ください。
歯科医院で行う「プロケア」
歯科衛生士によるプロケアです。年に2~3回のメンテナンスが重要です。
PMTC
PMTCは資格を持つ衛生士が、専用の機器で行う処置です。ブラッシングでは取れないバイオフィルムやべたつきを落とし、歯面をツルツルにしてくれます。
口腔内診査
口腔内検査では、レントゲン写真の撮影や歯周ポケットの検査、触診や視診などを行います。
歯石除去
どんなにブラッシングしていても、磨き残しをゼロにすることはできませんから、定期的な歯石除去は重要です。
ハミガキ指導
患者さまのクセを踏まえて歯科衛生士がその方に合った道具のアドバイスや磨き方の指導を行います。
フッ素塗布
濃度が高いフッ素を塗布することで、再石灰化を促進したり、歯質を強くしたりして虫歯を防止します。
シーラント
奥歯の溝をふさぐことや再石灰化を促進することで、虫歯にかかるリスクを低減することができます。
毎日の積み重ねで予防する「セルフケア」
毎日ご自身でおこなう「歯ブラシ・歯間ブラシによるブラッシング」「義歯のお手入れ」がお口の健康を守る基本。当院では、その効果的なやり方をやさしく丁寧にアドバイス。
歯科衛生士が患者さんそれぞれにあったブラッシング方法と、何百種とある歯ブラシや、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的な器具もご指導しています。
ブラッシングのポイント
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Point. 01フッ素を歯の表面に残す
歯磨き剤にフッ素が入ったものやフッ素ゲルなども効果的です。お口は少量の水ですすぐことをお勧めします。
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Point. 02歯垢を徹底的に落とす
適切なブラッシングとデンタルフロスなどの補助道具を使ってしっかり歯垢を落としましょう。
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Point. 03細菌の増殖を防ぐ
お口の中の細菌は眠っている間に繁殖しますから、寝る前にデンタルリンスを使うことも有効です。
歯ブラシやフロスなどの選定
セルフケアの道具には一般的な歯磨き剤と歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやデンタルリンス、フッソ入り歯磨き剤、フッソジェルなどがあります。当院では患者様のお口の中の状況に合わせたものをお勧めします。
正しい歯磨きの仕方
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コツ1. ヘッドの小さなブラシを選ぶ
口腔内でしっかり動かせるよう、ヘッドは小さめのブラシを選びましょう。
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コツ2. 歯ブラシは鉛筆を持つように握る
細かくしっかり磨くために、歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握ります。
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コツ3. 力を入れすぎない
ブラッシングの力が強すぎると、かえって汚れが取れにくいうえに歯が傷つきます。
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コツ4. 小刻みに動かす
歯ブラシは大きく動かすのではなく、小さく小刻みに動かすことで汚れを除去します。
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コツ5. 3分以上磨き続ける
ブラッシングは3分以上時間をかけましょう。短時間では汚れが取りきれません。
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コツ6. 歯ブラシ以外のITEMも使う
歯ブラシだけでは取れない汚れもあるため、デンタルフロスや歯間ブラシも活用しましょう。
食生活を見直すことも大切です
飲食の時間がダラダラ長いと、口腔内環境が悪化しがちです。ガムやキャンディーなど、口腔内に長時間ある食品はキシリトール配合のものやシュガーレスの商品を選びましょう。飲み物も同様に砂糖を含んだものは注意しましょう。